迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
「舞踏会に必要な小物は買い揃えたし、どこか行きたいところはあるか?」
「でしたら少し遠いのですが、広場に行ってみたいです。先ほどお祭りのポスターが貼ってあるのを見たので、見物して帰りたいです」
「そう言うと思った。早速行ってみよう」
「ありがとうございます……わっ!!」
フィリーネは対向者と肩がぶつかってよろけてしまう。
シドリウスの腕が抱き留めてくれなければ、転んで怪我をしていたかもしれない。
体勢を整えたフィリーネがお礼を伝えると、何故かシドリウスに右手を握られる。
「広場に行くにつれて人が増える。逸れないよう手を繋いでおこう。あと、ぶつかりそうになったら俺がフィーを守るから」
指と指を絡めて握り締められただけなのに、フィリーネは心臓までギュンっと握り締められたような感覚に陥った。
今までにない体験にフィリーネは戸惑う。
「わ、分かりました」
気のせいだと自分に言い聞かせたフィリーネは、シドリウスと手を繋いで広場に向かった。