迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~


 実をいうと、フィリーネは女性陣だけでなく男性陣からも熱い視線が集まっているのを知っていた。これらの視線は全てカロンに対するものだと思っていた。
 シドリウスは首を横に振る。

「カロンはエリンジャー公爵家の人間だ。日頃から男たちをいなす方法を心得ているし、相手も格上だと分かっているから、余程の愚か者でない限りは捨て身の行動は取らない。奴らがカロンに話しかける目的は一つ。フィーを紹介してもらいたいからだ」
「私を?」

 思わずフィリーネは胡乱な顔をした。
 アバロンド家の人間といってもフィリーネは忌み子である。ミリーネのように光の精霊師でもなければ、社交界の花でもない。取るに足らない存在だ。
 それなのに、どうして自分に注目が集まっているのか不思議で堪らなかった。

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