迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
二人が中央までやって来ると、控えていた楽団が音楽を奏で始めた。
舞踏会は主催者とそのパートナーがファーストダンスを踊って始まるのだ。
旋律に合わせて二人は息の合ったステップを踏む。アーネストがミリーネの腰に手を回せば、流れるようにくるりとターンをした。
シャンデリアに照らされるミリーネは一番星の如く光り輝き、とても美しかった。
ため息を吐く音が周りから聞こえてくる。
「お似合いのカップルだ」と何人もの人たちが口を揃えて呟くほどだ。
ダンスが終わって二人が退場すると、他の男女が中央へ移動してダンスを踊り始める。
「フィー、俺たちも行こうか」
「はい」
シドリウスのエスコートを受けて中央へ移動する。
燦然と輝くシャンデリアの下で、フィリーネはシドリウスと踊った。
ゆったりとした三拍子に合わせてステップを踏む。
シドリウスに手を引かれたフィリーネはくるり、くるりと回った。
その拍子にオーガンジーを幾重にも重ねたスカートがふわりと広がる。
(失敗するのが怖くて、以前はあんなに怯えていましたのに。もうちっとも怖くありません)
音楽が鳴り止み、肩で息をするフィリーネは達成感から満面の笑みを零した。