迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
辺りに皮膚が焼ける独特の臭いが立ちこめ、ヒュドーが堪らず服の裾で鼻を覆う。
全身に火傷を負ったハビエルは床の上ですすり泣いた。
シドリウスはハビエルの前にしゃがんで片方の膝をつく。
再びハビエルに向かって手をかざし、呪文を詠唱して火傷を癒やしてやった。
「おまえは確かアバロンド家に婿入りした身だったな。先代伯爵と魔法契約を交わしていたのか」
ハビエルは先代伯爵から闇の精霊について他言しないように契約をさせられていた。
しかし、今回感情に任せて言葉を紡いだ結果、契約内容に触れて制裁を受けたらしい。
「ううっ……陛下、ありがとうございます」
ハビエルは涙を流しながらシドリウスにお礼を言う。
シドリウスは顔色一つ変えずにハビエルの前の目に手のひらを差し出す。続いて、先ほどと同じ青い炎を出した。
「おまえに感謝される筋合いはない。何故なら、今から何度も青い炎でおまえの全身を焼き、死にかけては治療してやるんだから」
「ど、どうしてそんな惨い仕打ちを」
「これまでフィーを散々虐げてきたんだ。彼女が味わった苦しみ以上の苦痛を骨身に染みるまで刻んでやる。分かったな?」
ドスの利いた声で囁くと、ガクガク震えていたハビエルがとうとう気を失ってしまった。