迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~


 シドリウスは一瞬八の字を寄せるが、すぐに平静を装って席に着く。
 ヒュドーから挨拶をするよう促されたミリーネは、手錠を嵌められているにもかかわらず、優雅な所作で挨拶をした。

「竜王陛下にミリーネ=アバロンドがご挨拶申し上げます」
 ミリーネの洗練された動きを見て、フィリーネとの格差に胸が痛んだ。
(闇の精霊から祝福を受けてしまったが故にフィーは虐げられる羽目になった。本来ならミリーネと同じように教育を受けるはずだったのに)

 このような格差を生み出したハビエルに憤りを覚える。そしてそれはミリーネにも。
 同じ姉妹なのに、妹が父親から虐げられて疑問に思わなかったのだろうか。

 もともと光の精霊師の数自体が少なく、さらにミリーネは強力な力を持っていた。
 それ故、自分は特別な存在であり、闇の精霊から祝福受けたフィリーネは格下とでも思っていたのだろうか。


 シドリウスが黙考していたら、痺れを切らしたミリーネが口を開く。
「竜王陛下、この度は無礼な態度をとって本当に申し訳ございません。私は妹と一緒にいるのが竜王陛下だなんて知らなかったんです!」
「ミリーネ嬢、シドリウス様の許可なく発言しないでください」
 ヒュドーがきつく注意をするが、ミリーネはやめなかった。

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