迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
「これは先代のギデリウスから聞いた話なんだが、光の精霊は心優しい性格をしていて、誰かが傷つくのを極端に嫌う。もしも自分と契約する人間が攻撃的だと判断したら、一方的に契約を解除して二度と姿を見せないらしい」
アバロンド家では闇の精霊師は光の精霊師の力を奪い、不幸を振り撒くと言われてきた。
しかし、実際のところは闇の精霊師を傷つける光の精霊師を見た光の精霊が、一方的に契約を破棄したと推測できる。したがって闇の精霊師が力を奪うのではなく、光の精霊が力を貸さなくなったのである。
恐らく何代か前に光の精霊師と闇の精霊師が誕生し、光の精霊師が闇の精霊師を攻撃して力を失ったのだろう。
語られていくうちに、話の内容が少しずつ変わって、今のように闇の精霊から祝福された子供が虐げられるようになってしまった。
現実を受け入れられないミリーネは肩を震わせる。
「そんなの嘘。ニアが私を裏切るわけない。きっと忌み子が私から力を奪ったんだわ!」
何を言っても聞く耳を持たないミリーネは、何度も召喚呪文を唱え続けている。