迷信の生贄花嫁、食べられると勘違いしたまま竜王陛下の溺愛が始まって戸惑ってます~食べるって物理的な意味ですよね?~
「どうして今になってフィーが番だと感知できたのかは謎だが、とにかく巡り会えて幸せだ。カロンも含め、おまえたちエリンジャー家の者には心配をかけたな」
「いえいえ。僕もシドリウス様の番が見つかって嬉しいです。それと地上で政務を行っているランドレイス家にも連絡を入れましたよ」
空都に住めるのは空中を移動できる風の精霊師、エリンジャー家だけ。
一方のランドレイス家に精霊師がいないため、地上で活動している。
また、国民に寄り添った政治をしてもらうため、眷属にはしていない。彼らが地上にいてくれるおかげで、シドリウスは国民のための政策を打ち出せている。
「ランドレイス公爵を空都に呼び寄せられるか? 公爵とは久しく顔を合わせていない」
着替え終えたシドリウスは最後にヒュドーから手渡された白の手袋を手にはめる。
「申し訳ございませんが、公爵は体調が優れず床に伏せっている状態です。医者の診たてでは夢塞病とのことです」
「また、厄介な病に罹ったな」
眉を顰めるシドリウスは顎を引いた。