破断直後のEt cetera
2.破断の決意

 
 酔いも次第に冷めてきた頃だった。すでに私は、家のリビングのソファに横たわっていた。

 キッチンでは、お母さんとハウスキーパーの小松(こまつ)さんがお茶の準備をしている。

「未怜、明日ちゃんと吉香(きっか)ちゃんにお礼言うのよ? 吉香ちゃんがここまで運んできてくれたんだから。」

 壁の時計を見れば、22時を回ろうとしている。

まだハウスキーパーの小松さんが帰っていないことに疑問を抱く。

 
「小松さん、帰らなくていいの? もう22時だよ。」

「未怜、小松さんはあなたが帰るのを待っててくれたのよ? 父さんが皆に大事な話があるからって。」

「……なにそれ。」

 頭がぐわんぐわんする。きっと私、今ひどい顔しているんだろうな。

 さっきまでぐしゃぐしゃに泣いていたのだから。お母さんも小松さんも、何があったのか何も聞かないでくれているのが不思議だ。

 広すぎるリビングは、いつも綺麗に掃除がされている。それもこれも全て、ハウスキーパーである小松さんのお陰だ。

 小松さんは、私が小学生の頃からこの家でハウスキーパーとして働いていくれている。もう家族みたいなもの。

「未怜ちゃん、梅昆布茶でよかったかしら? お酒で発散もいいけれど、飲みすぎには気をつけて下さいね。」

「あ、りがとう。小松さん。」

 小松さんが、私に柔らかく笑顔を向けてくれる。考えれば考えるほど片付かない気持ちが、ほっと安らぐ。      

「未怜、ようやく帰ってきたか。」

「お父さん! 私のこと待ってたんなら連絡してくれればよかったのに。」

「まあ、いいじゃないか。」

 “大事な話”とは、一体何だろう? しかもこんなに遅い時間にだ。

家族にとって大事なことであれば、お兄ちゃんも一緒の時に話してくれればいいのに。






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