限界オタクは推しの幸せを目指したい!!
ーーと、まぁ色々あり、蛇芭家に戻って来たのだ。

いや、別にこの仕事に不満があるわけではない。
この前みたいに神楽様によからぬことをする輩が仕事をするくらいなら、私自身がついた方がいい。絶対。
ただ、私なんかに神楽様の妖術訓練をする資格があるのかという話で……
うー!! 恐れ多すぎる!!



「辛気臭い顔をするな。気が滅入る」



神楽様が私に話しかける。
神楽様は妖術暴走の代償がかなり重いそうで、未だに療養中だ。
私がいたのに不甲斐ない……!!



「う、すみません……」

「……珍しいものだな、お前がこんなにも凹むのは」

「うぇ、」



神楽様、もしかして心配なさってくれてる……?!?!
それなら落ち込んでちゃいられない!
神楽様にお手はかけさせないぞ!! 頑張れ私!



「いえ! 元気になりました!! ご心配なく!!」

「……本当か?」

「ええもちろん! 元気いっぱいですとも!!」

「ならいいが……」



『もう寝る』
そう言って神楽様は布団に入ってしまった。

……あれ、なんだか寂しそうだったけど……
私、何かしちゃったかなぁ……?



「……神楽様!
 私、神楽様の教育係として恥にならないよう、
 精一杯努めさせていただきます!!
 ですので……これからも、よろしくお願いします!」



精一杯の元気を出してそう伝える。
すると、もぞもぞと布団から頭だけを覗かせて、神楽様が呟いた。



「……うるさいぞ、神酒」

「……!! はい、神楽様っ!」



私は水上神酒。
蛇芭神楽様の、一番の限界オタクです!
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