限界オタクは推しの幸せを目指したい!!

side 神楽

最初は、変な奴だと思った。

俺は、生まれた時から上に立つことが決定していた。
蛇芭の人間で、先祖帰り。
長い間神に辛酸を舐めさせられていた親父や家臣にとっては、俺は希望の星みたいに見えたんだろう。
だから、厳しい教育が課せられた。



「お前がやらねばならないのだ。
 逃げたいなどと弱音を吐くんじゃない!!」

「これが先祖帰りだなんて……あり得ない」

「我等に恥をかかせるな」



体についた鞭の跡は、数日経てば消える。
それでも、心の中にはずっと残っているように感じた。



「ヒッ……蛇芭様よ、近づいたら何されるか……!」

「すみません、すみません……」

「以前の教育係は逃げ出してしまい……」



俺は、普通の妖怪にとっては恐ろしすぎた。

俺が泣けば、笑えば、震えれば、誰かが苦しむ。
俺は、恐怖の対象でもあった。
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