限界オタクは推しの幸せを目指したい!!
その日も、いつも通りだった。
礼儀作法の授業がある
……つまり親父に教育と言う名の暴力を振るわれることが決定してる以外は、至って普通の日。

いや、あいつはケーキを焼くと言っていた。
あの狂人度とは裏腹に、あいつの菓子は絶品だ。


ただ、いつもより授業が長引いた。
理由はなんだったか。
確か背筋が曲がってるだとか咳をして体調管理がなってないだとか、そんな阿呆らしい理由だったと思う。

まぁ俺の誤算としては、あいつが……
想像以上に過保護だったことだろうか?



「神楽様!!」



『どうしてお前が』
それしか言えなかった。
恐ろしいはずなのに、空元気なはずなのに。
なのに、どうして俺を救おうとするんだ。



「私は神楽様の従者でございます。
 このお方のために命を捧げる所存でございます故、
 いくら実の父親であろうとて、
 神楽様を傷つけるのであれば、
 私は貴方の敵となりましょう!」



はく、と口から息が出た。
恐ろしくないのか? 雇い主だぞ?
こんな俺のために、敵になるだなんていうのか?
阿保なのかこいつ??

思ったことは沢山あった。やばい奴だと思った。

でも、それ以上に、

(俺を、救ってくれるのか?)

この可笑しな教育係に、俺は期待をしてしまった。
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