【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
(身体が動かない……それに、自分勝手に事を進めるなんて……)

「なんでっ……ふっ……ふううっ……やだっ……やめて……怖いよ!」

 初めての夜を除けば、こういった事態が初めてだった。身体をまったく動かせず怯えたアリスは嗚咽して、ゴトフリーはそんな彼女を優しく抱きしめた。

「じゃあ……もう一度、聞くよ。アリス。今日、あんな隠れた場所で、ブレンダンと何を話してたの?」

 自分をまっすぐに見つめている紺色の瞳をじっと見返しつつアリスは息を整えながら、ゆっくりと言った。

「……ゴトフリーと、えっちなことしたくて……その私、これが男の人と付き合うの初めてだから、自分からはどうやって誘って良いかわからなかったの。だから、ゴトフリーのことを、良く知ってる人に聞きたかっただけっ……それだけなの」

 アリスから事情を聞いたゴトフリーは、ぽかんとした表情をしたまま呆然として、ぱちんと音をさせて指を鳴らした。

 それを合図にやっと体を動かせるようになったアリスは、ゴトフリーの首に抱きついて安心して泣いてしまった。

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