【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
 アリスは言いにくそうにして、じっとゴトフリーを見つめた。その優しい誠実そうな紺色の瞳に映るのは自分だけであって欲しい。でも、そんなことを言ってしまうと引かれないだろうか。彼に嫉妬されるのは自分は嬉しいけれど、そういうめんどくさい自分の気持ちを出して嫌われたくないと思ってしまう。

「大丈夫、わかってるよ。もうキャサリンとは仕事以外で話さないし、絶対にアリスに誤解されたくないから線引きする……この前ね、本当に嬉しかったんだ。アリスも俺のことが好きって言ってくれているし、付き合うのが初めての君なりに努力してくれているってわかってはいたんだけど、どうしても俺の方が気持ちが大きくて、不安になることも多かった。でも、ああやって俺のことを自分のものだから近づかないでって、そう言ってくれて嬉しかった」

 その言葉にはちょっと間違いがあるんだけど、それを説明する前に、アリスは堪えきれなくて彼の胸に飛び込んだ。大柄で筋肉質なゴトフリーの胸の中は、本当にどこよりも安心出来る。この人やこの人の同僚達にアリス自身もだけれど、大きな国全体が守られている。その力強さを特に感じられるのはその場所だった。

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