【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
 ヒュウと間抜けな口笛が鳴って、唖然として音が消えていた周囲は拍手をしつつ面白そうに囃し立てる。なぜか他のテーブルの客もこちらの会話を息を殺して伺っていたようで、狭い店中がなぜか祝福するような空気に包まれた。

「ゴトフリー、ご指名だぞ」

「まじか、ブレンダンが居てブレンダン以外が選ばれたのって初めてじゃね?」

「おいおい、色男のブレンダン・ガーディナーが袖にされたぞ」

 大方の皆の予想では選ばれるはずだったブレンダンと呼ばれた爽やかで甘いマスクのその人は、何も言わずに面白そうに笑う。きっと初見で短時間の勝負ならその人がきっと選ばれることが多いのだろう。

 でも人の好みなんて千差万別で肉が好きな人も居れば、芋が好きな物好きな人ももちろん居る。多数派が居るということは必ず少数派も存在する。だから、多数の人が選ぶブレンダンじゃなくてゴトフリーを選んだアリスは少数派なのかもしれない。

 でも、アリスはゴトフリーが良いと思ったんだからしょうがない。

(ブレンダンさん、初見じゃなくて、ごめんね)

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