【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】

32 泣き笑い

 その時、何かの生き物のするどい鳴き声が辺りに響き渡った。高くて、まるで泣いているようなそんな響きの声だ。

「おい、なんだ。あの声は」

「……こんな王都の近くで魔物か? あの声の大きさだぞ。かなり大型なような気がするな……」

 戸惑うような男たちの声がして、アリスは、その時、その建物の屋根が無くなった瞬間を目撃した。本当に一瞬の内に暗かった視界が星空へと姿を変えたのだ。何かが吹き飛ばされたような大きな音がして、それからすぐに、激しい威嚇音がする。

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