【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
 いや、その前にアリスとゴトフリーの結婚が決まったことであるように進んでいく会話の流れがわからない。

 アリスは仕事中のいつもの髪型であるお団子頭を掻きむしりたくなった。

(ほんとに分からない。なんなの。何がどうなってこうなったの。なんでこんなことになったの。全然意味がわからないんだけど!)

「私はこの人と結婚しません。室長も呼びません」

 ゴトフリーを指差しながらがたんと音をさせて椅子から立ち上がり、完全にこの状況を面白がっている室長を睨んだアリスに、愛妻家で有名な彼はいかにも自分はわかっているよという笑いで頷いた。

「またまた、そんなこと言っちゃって。マーシュくん、うちのアリスくんってほんとに素直じゃなくてごめんねー」

「はい、そういうところも可愛いなって思ってます」

「わー、朝からあてられちゃったわ。じゃあ僕は今から会議に行かなきゃいけないからお若い二人はごゆっくりどうぞ」

「お疲れ様です。ありがとうございます」

 手を振るサハラ室長にはきはきと答えるゴトフリーは、アリスのぷるぷると怒りで震える手なんかどこ吹く風だ。

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