【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
「ゴトフリーには全然似合わないよ」

「そう? 残念」

 アリスの心の中の葛藤なんて、全部お見通しみたいな顔して肩をすくめると、きちんと畳んだ眼鏡を返してくれた。

「アリスって眼鏡なくても人の顔見えるの?」

「うん。小さな文字が霞むことがあるから、仕事中だけかけてるの。普段は問題ないよ」

「そっか。ベッドの中でもかけなくて良いから良いね」

「仕事中だよ……何言ってるの?」

 ちょっと顔を赤くして睨んだアリスにゴトフリーは微笑んだ。

「寝る時もずっとかけなくて良いから楽だろ? 何想像したの? アリスいやらしい」

「いやらしいのはゴトフリーでしょ! もうっ、仕事の邪魔しないでよ」

「はは、ごめん。じゃあまた来るね。アリス」

「もう来なくて良いよ」

 他の竜騎士を牽制する程自分のことを想ってくれているらしい彼が、日に何度も自分のことを訪ねて来てくれるのは嬉しい癖に素直じゃないことを言ってしまって、書類の整理をしながら、アリスは落ち込んだ。

 彼の横で目覚めたあの朝に自分がやってしまった醜態を思い出すとどうしても、今からでも私と付き合ってくださいって言えない。大好きになってしまったゴトフリーを前にすると自然にくまれ口ばかりが出て来るのだ。

(素直になるタイミングって……難しい)

 やっぱり最初の時みたいに酒に頼るしかないのか。でも酒が抜けた時は本末転倒なんじゃないかとぐるぐるする思考で頭を悩ませた。



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