【書籍化】素直になれない雪乙女は眠れる竜騎士に甘くとかされる【コミカライズシーモア先行連載中】
「ごめん。それは、俺もちゃんとわかってるよ。でも、アリスが可愛過ぎて、我慢が出来なかった。これからは付き合えるまでは我慢するから、もう会わないなんて言わないで欲しい」

 彼の声を聞きながら、自分が先にキスを仕掛けたからだとは決して責めない彼の誠実なその思いを感じて、また素直になれない自分が嫌でアリスは涙をこぼした。

 それからの会話はぎこちなくなってしまったけれど、最低限のやり取りをして、二人はアレックの背へと乗り込んだ。

 夕焼けに染まっていく空を見ながら、いつになれば自分はゴトフリーに思っていることを伝えられるようになるのだろうとため息をついてしまったアリスに、ゴトフリーは抱きしめるように手綱を握る手を回しながら語りかけるように言った。

「今日は本当にごめん。つい、夢中になって我を忘れた……俺はアリスのことを簡単だなんて思ったことは、一度もないよ」

 彼の絞り出すような言葉に何を返して良いかわからなくて、やっぱりアリスは何も言えなかった。
< 63 / 262 >

この作品をシェア

pagetop