ハロー
両親に振り向いてもらいたい一心で、未来は勉強も運動も頑張ろうと努力した。しかし、両親の目はどれだけ努力しようと向くことはない。両親が大切にしているのは、「努力した過程」ではなく「結果」のみのためである。

未来が俯いて固まっていると、キッチンのシンクに食器を運びにきた兄に「邪魔だ」と冷たく言われる。未来は泣くのを堪えながらキッチンから出た。



身支度を済ませた後、未来は重い足取りでランドセルを背負う。

「行ってきます」

未来の言葉に「行ってらっしゃい」と返してくれる人はいない。虚しさだけがただ胸に広がる。

道を歩けば、未来の前や横をランドセルを背負った小学生が歩いていく。どの顔にも笑顔があり、友達と楽しそうに話している。

「昨日の配信見た〜?」

「見た見た!面白かったよね〜!」

「今日の給食カレーだってよ!」

「マジか!おかわりしよ!」

未来の胸がズキンと痛む。未来には、あんな風に話せる友達が一人もいない。

(私も、あんな風に誰かと話してみたい……)
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