追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
1・母国からの国外追放宣言と、隣国で生きる決意
「聖女ラシリネよ! 貴様をこの国から、追放する!」

 聖女。それは生涯神に操を立て、迫りくる魔獣から国の平和を守り続けるために防御壁を張り巡らせる人身御供だ。
 アデラプス王国のラシリネは、自国でハズレ聖女と罵られて生きてきた。

 聖なる力によって生み出された障壁が国の防衛力の要となるのに、自分は外敵を防ぎきれない中途半端で穴ボコだらけの防壁しか展開できなかった。

 事態を重く見た若き王は、己を追放して新たな聖女にこの国を守護させると決めたらしい。

(ああ。やっと、この最悪な環境から抜け出せるのね……)

 ラシリネはこの時を、ずっと待ち望んでいた。

『この、役立たずが!』

 外敵が結界をすり抜けて侵入する度に、陛下から罵られた。

『貴様が完璧な防壁を展開していれば、国民達も傷つかずに済んだ!』

 対処に当たる王立騎士達が厳しい鍛錬を重ねていれば、魔獣の侵入を防げたかもしれないのに――責任の所在はすべてこちらにあるのだと物凄い剣幕で捲し立てられた。
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