追放されたハズレ聖女が皇帝の寵愛を受けたら、大帝国の守護聖女と呼ばれて伝説になりました
「へ、陛下……」
「ふむ。確かに、彼の国で障壁は張り巡らされているのは事実のようだ」
「ええ。そうね……。まさか帝国に、新たな聖女が誕生するなんて思いもしなかったわ……」
「精進せよ。アオリなら、きっとできる。期待しているぞ」
「は、はぁ……」

 陛下は可愛くて仕方のない孫娘を見つめて優しく諭すと、満足げに室内へ戻って行った。

(はぁ? 何が、精進せよ、よ! こっちは限界まで、頑張っているんですけど!?)

 アオリは人気のなくなった物見櫓で、内心怒り狂っていた。
 姉が聖女になったせいで、何もかもが台無しだ。

(なんで姉様は、あたし達の気持ちを無視して聖女になるわけ!? 大人しく普通の女の子でいてくれたら、随分楽なのに……!)

 ラシリネが生み出した不完全な障壁より、自分が魔具を使って展開した防護壁のほうが優秀だ。
 国民達は誰もが新たな聖女の誕生を祝い、祝福を送ってくれた。
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