ふたつの弧が、重なるとき ~元エースピッチャーの彼と、走り高跳びの彼女。熱を持った六年越しの初恋を、不器用に重ね合わせていく~【完結】
第74話
居酒屋の長テーブルには、真新しい服に身を包んだフレッシュな面々がずらりと並んでいる。
みんな、新生活への期待に満ちあふれているのか、キラキラした瞳をしている。
「スポーツ観戦サークルにようこそー! カンパーイ!」
「カンパーイ!」
サークルの新入生歓迎会が始まった。
今年は二年生として、一年生を歓迎する側だ。
いずみは持ち前の明るさで、緊張気味の新入生たちに積極的に話を振って場を盛り上げている。
私も、いつもの人見知りを少しだけ封印し、後輩たちと笑顔で会話をするように心がけていた。
――ガタガタガタッ……
「いらっしゃいませー!」
建て付けの悪い音を鳴らしながらお店の扉が開くたびに、ハッとして入り口の方へ視線を向けてしまう。
ここは、去年の歓迎会と同じお店だ。
ちょうど一年前、あの扉の向こうから祥ちゃんが現れた。
偶然の再会を果たした瞬間の記憶が何度もフラッシュバックして、胸がざわめく。
けれど……今日ここに、祥ちゃんはいない。
サークルのグループチャットでは「バイトだから欠席する」と言っていたけれど……。
もしかしたら、私がいるからと気を遣わせてしまったのではないか。
そんな心配が、頭の片隅から離れなかった。
みんな、新生活への期待に満ちあふれているのか、キラキラした瞳をしている。
「スポーツ観戦サークルにようこそー! カンパーイ!」
「カンパーイ!」
サークルの新入生歓迎会が始まった。
今年は二年生として、一年生を歓迎する側だ。
いずみは持ち前の明るさで、緊張気味の新入生たちに積極的に話を振って場を盛り上げている。
私も、いつもの人見知りを少しだけ封印し、後輩たちと笑顔で会話をするように心がけていた。
――ガタガタガタッ……
「いらっしゃいませー!」
建て付けの悪い音を鳴らしながらお店の扉が開くたびに、ハッとして入り口の方へ視線を向けてしまう。
ここは、去年の歓迎会と同じお店だ。
ちょうど一年前、あの扉の向こうから祥ちゃんが現れた。
偶然の再会を果たした瞬間の記憶が何度もフラッシュバックして、胸がざわめく。
けれど……今日ここに、祥ちゃんはいない。
サークルのグループチャットでは「バイトだから欠席する」と言っていたけれど……。
もしかしたら、私がいるからと気を遣わせてしまったのではないか。
そんな心配が、頭の片隅から離れなかった。