ふたつの弧が、重なるとき ~元エースピッチャーの彼と、走り高跳びの彼女。熱を持った六年越しの初恋を、不器用に重ね合わせていく~【完結】
ふたつの弧が、重なる場所
最終話
故郷の公園で抱き合い、想いを伝え合ったあの日から、二年後――。
私たちは大学四年生になっていた。
力強い春風が、咲き終えた花びらたちを東京のアスファルトから舞い上げる。
またこの季節がやってきた。
今日は、サークルの新入生歓迎会だ。
今回の会場も、「新歓といえばここ」と毎回利用させてもらっている、雑居ビルに入った居酒屋。
「スポーツ観戦サークルへいらっしゃい! 楽しもうぜー! カンパーイ!」
元気よく音頭をとったのは、今やサークルの部長を務めている正人くん。
「お皿ある? 飲み物足りてる?」
「あっ、はい! ありがとうございます!」
近くの席に座る新入生たちに声をかけると、初々しい反応が返ってきた。
四年生にもなると、なんだか新入生のみんなが我が子のように可愛く思えてくるから不思議だ。
「わあ! あの人見知りだった美絵が、新入生のお世話してる〜」
目の前に座るいずみが目を丸くして笑っていた。
賑やかなテーブルのどこにも――祥ちゃんの姿は、ない。
私たちは大学四年生になっていた。
力強い春風が、咲き終えた花びらたちを東京のアスファルトから舞い上げる。
またこの季節がやってきた。
今日は、サークルの新入生歓迎会だ。
今回の会場も、「新歓といえばここ」と毎回利用させてもらっている、雑居ビルに入った居酒屋。
「スポーツ観戦サークルへいらっしゃい! 楽しもうぜー! カンパーイ!」
元気よく音頭をとったのは、今やサークルの部長を務めている正人くん。
「お皿ある? 飲み物足りてる?」
「あっ、はい! ありがとうございます!」
近くの席に座る新入生たちに声をかけると、初々しい反応が返ってきた。
四年生にもなると、なんだか新入生のみんなが我が子のように可愛く思えてくるから不思議だ。
「わあ! あの人見知りだった美絵が、新入生のお世話してる〜」
目の前に座るいずみが目を丸くして笑っていた。
賑やかなテーブルのどこにも――祥ちゃんの姿は、ない。