ふたつの弧が、重なるとき ~六年越しの両片思い。不器用なふたりが、東京で0センチメートルになるまで。~
定食屋を出て祥太郎と別れた後、夕暮れの涼しい風が吹き始めた道を歩きながら、俺は急いでスマホを取り出した。
歩きスマホは良くないとわかっちゃいるが、今すぐ報告しなければならないミッションがある。
『いずみん! 速報!』
立ち止まってメッセージを打ち込むと、数秒で既読がついた。
『祥太郎から言質とった! 好きな人はいる気がする。あと、真希さんではないってさ!』
送信ボタンを押した直後、すぐに返事がくる。
『やったー!! まさとん、グッジョブ!』
『だろ? 俺の捨て身の過去バナが効いたぜ』
『えっ、 何? 捨て身の恋バナって。それ私も今度聞きたい。で、好きな人が美絵だって確定したわけではないよね?』
『まあな。勘違いだったらヨッシーに申し訳ないから、まだ本人にはこのこと伝えないでほしい。でもさ……俺の勘だけど、祥太郎が好きなの、絶対ヨッシーだと思うんだよな。あの目の泳ぎ方とか、雰囲気とかさあ』
『私も同じ予想! あの二人の空気感、絶対そうだって!』
画面越しに、いずみんが飛び跳ねて喜んでいる姿が目に浮かぶ。
いつもの祥太郎の様子を思い出す。
あいつ、クールに見えて意外とわかりやすいところがある。
ヨッシーの話になると、あからさまに表情が柔らかくなるし、目でずっと追っているのも知っている。
『さりげなく二人の背中を押したいんだけど、どうしようか……文化祭とかでチャンス作れるかな?』
『文化祭いいね! シフト一緒にするように仕組むとか?』
『それだ! あと、買い出しとかも二人に行かせようぜ』
画面をスクロールさせながら、二人であれこれと作戦を練る。
人様の恋愛事情に首を突っ込むのは野暮かもしれないが、あの不器用で真っ直ぐな二人を見ていると、どうにもお節介を焼きたくなってしまうのだ。
「……何これ。青春ぽくて最高に楽しいじゃん!」
夕焼け空に向かって伸びをしながら、俺は思わずスキップしてしまいそうになった。
スマホの向こうのいずみんも、きっと同じようにワクワクしているに違いない。
二人の恋が交差する瞬間を、特等席で見届けられる日が待ち遠しかった。
歩きスマホは良くないとわかっちゃいるが、今すぐ報告しなければならないミッションがある。
『いずみん! 速報!』
立ち止まってメッセージを打ち込むと、数秒で既読がついた。
『祥太郎から言質とった! 好きな人はいる気がする。あと、真希さんではないってさ!』
送信ボタンを押した直後、すぐに返事がくる。
『やったー!! まさとん、グッジョブ!』
『だろ? 俺の捨て身の過去バナが効いたぜ』
『えっ、 何? 捨て身の恋バナって。それ私も今度聞きたい。で、好きな人が美絵だって確定したわけではないよね?』
『まあな。勘違いだったらヨッシーに申し訳ないから、まだ本人にはこのこと伝えないでほしい。でもさ……俺の勘だけど、祥太郎が好きなの、絶対ヨッシーだと思うんだよな。あの目の泳ぎ方とか、雰囲気とかさあ』
『私も同じ予想! あの二人の空気感、絶対そうだって!』
画面越しに、いずみんが飛び跳ねて喜んでいる姿が目に浮かぶ。
いつもの祥太郎の様子を思い出す。
あいつ、クールに見えて意外とわかりやすいところがある。
ヨッシーの話になると、あからさまに表情が柔らかくなるし、目でずっと追っているのも知っている。
『さりげなく二人の背中を押したいんだけど、どうしようか……文化祭とかでチャンス作れるかな?』
『文化祭いいね! シフト一緒にするように仕組むとか?』
『それだ! あと、買い出しとかも二人に行かせようぜ』
画面をスクロールさせながら、二人であれこれと作戦を練る。
人様の恋愛事情に首を突っ込むのは野暮かもしれないが、あの不器用で真っ直ぐな二人を見ていると、どうにもお節介を焼きたくなってしまうのだ。
「……何これ。青春ぽくて最高に楽しいじゃん!」
夕焼け空に向かって伸びをしながら、俺は思わずスキップしてしまいそうになった。
スマホの向こうのいずみんも、きっと同じようにワクワクしているに違いない。
二人の恋が交差する瞬間を、特等席で見届けられる日が待ち遠しかった。