理王くんの甘い罠
「物理室、四階の隅とかマジでひどくない?」

「ほんとにね」


どれだけ歩かせれば気が済むのだか。



「……あ、先輩」


……目が合った。綾瀬くんとだ。

多分あっちも教室移動っぽいけど……なんだか、ちょっと、気まずいかも……。

さすがに昨日は馴れ馴れしくしすぎた気がする……私普段あんなにベタベタ行かないし……疲れてたのかな。



「り、莉子。今日って特別な荷物とかあったっけ?ほら、定規が必要とか……」

「何言ってんの、ないよ」

「そ、そうだよね」


無理やり綾瀬くんから目を移した。完全にすれ違って、彼を横目で見ると、なんだか寂しそうな顔をしている気がした。


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