【書籍化決定】「生贄として嫁がされたら、最強種族の愛され大公妃になっていました~私を好きすぎる狼大公と義息子が猛犬につき、ご注意ください~」

三章

 翌日。

 昨日宣言された通り、アイリスは〝家族〟の朝食の席にも呼ばれた。

 緊張したものの、朝ブロンズには相談してある。

 ダイニングルームでアリムを連れてヴァンレックと合流し、挨拶したところで、彼女は着席を止めてこう告げた。

「旦那様、席替えを提案いたします」
「席替え……?」
「そこにいたら、アリムが『あーん』したくなった際、彼の手が届きません。隣に来ましょう」

 ブロンズが言っていた通り、ヴァンレックは気を悪くしなかった。

 アイリスは使用人とコックに協力してもらい、アリムを挟む形で隣にヴァンレックの席を移動してもらった。

「パパが隣だ!」

 アリムは喜んだ。あれやこれやと食べさせる。

 ヴァンレックはそれが少し苦手だったらしい。『だから嫌だったんだ』と顔に出ていて、アイリスはつい笑ってしまった。

 ヴァンレックが目を見開く。

「あ、申し訳ございません。つい……」
「いや、構わない」

 なぜか食い気味にヴァンレックがアリムの向こうから答えてきた。
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