可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 ブロンズに声をかられたのは、アリムのお昼寝後のことだ。

「旦那様がお呼びです」

 書斎に向かってほしいと彼は言った。

(時間があっという間で、あとで話そうとして言われていたのを忘れてたわ……)

 池で別れる前にそう宣言されていた。

 あれから数時間経ってしまっているが、アリムのことを考えて呼び出しはしなかったのだろう。

(私が動けるタイミングを待ってくれていたなんて、『いいパパ』ね)

 ヴァンレックが、大公として仕事をしている時は書斎にいる。

 訪ねてみるとヴァンレックは書斎机のほうではなく、ソファに座っていた。入室許可を取った際に置いたのか、テーブルにはティーカップが置かれてある。

「あ、旦那様も休憩中だったのですね」

 忙しいミタイングでなくてよかったと安心する。

 ほっ、としていたら、何やらヴァンレックがじーっと見つめてきた。

「あの……?」

 観察されているような気がして尋ねると、ヴァンレックがハタとして視線をそらす。

「向かいにかけてくれ。話がしたい」
「はい」

 改まって聞きたいことがあるのかもしれない。気を引き締め、アイリスは言われた通りにする。
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