本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません
隣の席では、同じ課の女子職員である𠮷木さんが、華やかな笑顔を振りまきながら、特徴ある鼻声で林田係長と楽しそうに会話していた。
「昨夜の『集まれ!動物さんたち!』観ましたぁ?」
「ああ。あの動物番組ね。娘が見ていたな。」
私も昨夜同じ番組を観ていたので、つい聞き耳を立ててしまう。
「ね。臼井さんは、観た?」
気を使ってくれているのか、吉木さんは急に話を振ってきた。
「あ・・・はい。」
「臼井さんはどの動物が可愛いと思ったぁ?」
「ええと・・・オランウータンが・・・」
「え?オランウータン?あのゴリラみたいな動物?どこがいいのぉ?」
「えっと・・・あの・・・」
つぶらな瞳とオレンジ色の毛並みが可愛いの。
五歳くらいの子供と同じくらいの知能があって、すごく賢いの。
iPadを使えちゃうオランウータンもいるんです。
そして孤独を愛する動物なんです。
頭の中では色んな言葉が渦巻いているのに、上手く口に出せない。