本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません

そして今、私はちゃぶ台の向こうでじっと私を見透かすようにみつめている菊江さんの視線におびえていた。
「さて。ミチルさん。要のコレクションを見てどう思った?正直に答えてみな?」
え?なに?何を試されているの?

「あの鉄道模型のことですか?」
「そう。」
「えっと・・・すごいですね。」
「ドン引きしなかったかい?」

「いえ!あれだけ集めるの大変だったと思いますし、夢中になれる趣味があるっていいことだと思います。」
「他人事みたいに言ってるけど、結婚したらあんたにも関係してくるんだよ?アレは結構お金もかかるし・・・あんたはそれを許せるかい?」

要さんと結婚した場合の、家計の収支を頭で巡らせる。
公務員は職場結婚が多くて、しかも共働きがほとんどだ。
もし私と要さんが結婚して共働きするとしたら、お給料もボーナスも二倍だから、鉄道模型の値段はわからないけれど、少しくらいの趣味の出費なら充分賄えるだろう。

「大丈夫です!私もレトロ雑貨収集が趣味なので、コレクターの気持ちはわかるつもりです。もちろん予算は話し合いが必要だと思いますけど・・・。」
さすがにボーナス全部を鉄道模型に使われては困る。

「あ、そう。じゃあ、それは及第点だわね。」
なにやら要さんの花嫁としての資質を問われているみたいだ。
菊江さんの声が少し曇った。
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