本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません

その後、職場で見掛ける要さんは特に変わった様子は見られず、普段通り業務をこなしているように見えた。

ただ、気のせいかもしれないけれど、ふと気が付くと要さんの視線が私に向けられているのではないか、と思える瞬間がある。
それは昼休憩の為に席を立った時や、仕事の手を休めてミルクティーに口を付けた時に訪れる。
目が合うことはないから、確証はないのだけれど。

あのメッセージを送ってから二週間。

要さんと過ごしたかけがえのない日々が、もう遠い過去のように思える。
時間が遅く感じ、その世界はモノクロのように煌めきを消し去った。

それなのに・・・私は要さんに、結局なんのアクションも起こすことが出来ずにいた。
給湯室や廊下ですれ違っても、声を掛けるどころか視線も合わせられずにいる。

要さんは失恋したばかりなのだ。
私は要さんを振った、その張本人なのだ。

それなのにその相手に気軽に声を掛けることが出来るほど、私の神経は図太く出来ていない。
どうして私は臼井千佐で要さんに近づけるだなんて自惚れていたのだろう。
今更、そんなことが出来るはずもない。

もう要さんとの甘い時間は二度とは戻っては来ない・・・
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