本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません

要さんと初めて言葉を交わしたいつかの児童公園で、私はお弁当を食べていた。
深まる秋の風が冷たい。

お弁当を作る気にもなれず、私はコンビニで買ったサンドイッチを食べていた。
食欲なんて一ミリも湧いてこないけれど、万が一私が倒れて周りに迷惑をかけるわけにはいかないので、機械のように食べ物を口へ運ぶ。

ふと足元の地面に影が差した。
見上げると要さんが私の背後に立っていた。
思わず不自然に目を逸らしてしまう。

しばらく無言の時間が過ぎ、その息苦しさに耐えられなくなった私は、思い切って要さんに声を掛けた。

「和木坂課長・・・こんな所でどうしたんですか?」

すると要さんは引きつった笑みを浮かべ、ベンチの背もたれに手をついて唐突に言った。
「ミチルちゃんに振られた。」
「・・・・・・。」
「遠くへ行くんだって。そんな見え透いた嘘つかれてもさ。」

近くで見る要さんの表情は、憔悴しきっていて目の下にはクマができていた。
要さんにこんな顔をさせているのは誰?
ミチル・・・私だ。

また罪悪感と後悔で胸がキリキリと痛んだ。

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