本当の私を知られたら終わる恋だと思っていたのに、彼の溺愛が止まりません

「なあ、臼井さん。ミチルちゃんはどうして俺を振ったんだと思う?」
縋るような目で、要さんは私に問いかけた。
私はどう答えていいのかわからず、固まった。

でも・・・今が臼井千佐を要さんに印象付けるチャンスなんじゃない?
落ち込んでいる要さんを励まして、願わくば少しだけでも近づけるかもしれない。

私は意を決すると、控えめに笑みを浮かべ、要さんに励ましの言葉を掛けた。

「夜・・・眠れていないんですか?」
「・・・ああ。」
「寝る前に温かいミルクを飲むといいですよ?」

私に要さんの体調を心配する資格なんてないのに、そんな偽善的な言葉がスラスラと飛び出した。

「私にはミチルさんの気持ちはよくわかりません・・・けど、遠くに行くっていうならそれを信じてあげればいいんじゃないですか?もしかして本当に遠くへ旅立ったのかもしれませんよ?」
「俺に黙って?」

「元気出してください。ミチルさんだけが女性じゃありません。和木坂課長ならすぐに素敵な女性を見つけることが出来ると思います。」
「・・・・・・。」

「もしかしてミチルさん、和木坂課長のこと遊びだったのかも。だからもうミチルさんのことなんて忘れてしまいましょう。」
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