第3部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない

そして――

「我が剣に応えよ、アレキサンドライト。
我が意志をもって、共鳴を導け」


その輝きは命令ではなく、
“信じる力”として輪の中心に満ちていった。

共鳴は、ひとつ上の段階へと押し上げられる。



最後に。

私は、深く息を吸う。

背に。
肩に。
剣に――

仲間たちの手の温もりが、確かにあった。

「蒼き想いよ―」

ラピスラズリが、夜空のように輝く。

「星の記憶を継ぎ、
交わした誓いを――導に」

剣が震える。

「私たちの想いを、ひとつに」

光が、繋がった。


蒼と光。
氷と雷と土。
炎と紅。
薔薇と月。
整と静。

すべてが溶け合い、
ひとつの旋律となって流れ込む。

それは歌ではない。
祈りでもない。

――“共に在る”という選択そのもの。

トワの残した淡い光が、その輪の中で震え、
やがて拒むことなく――

そっと、和音として重なった。
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