第3部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
想いの果てに
さらに2週間後
「まさか、こんなパーティーに呼ばれるとはね」
珍しくスーツ姿に前髪をあげたテオが、肩をすくめて笑った。
赤と黒を基調にしたその装いは、
普段の軽装とは違い、驚くほど大人びて見える。
王国からの労いを込めた式典――
事情を知る身内のみの集まりで
私たちはその招待客だった。
「スーツ、似合ってるよ」
「ほんと? かっこいい?」
「うん。かっこいい」
その言葉に、テオは少し照れたように笑う。
「じゃあさ」
そう言って、彼は一歩前に出た。
「俺と、踊ってくれますか?」
すっと差し出される手。
「……喜んで」
私はその手を取った。
音楽が流れ出し、
自然と足が動く。
――思った以上に、テオは上手だった。
「……上手ね、テオ」
「ありがとう」
少し誇らしげに笑ってから、続ける。
「実は、特訓したんだ」
「特訓?」
「うん。オリバー団長と、エリック副団長が教えてくれてさ」
意外な人たちの名前に
思わず目を丸くする。
「それはすごいね」
「だろ?
意外と嫌な人たちじゃなかった」
「そっか」
彼が少しずつ、世界を広げていることが嬉しかった。
テオは私を気遣うように歩幅を合わせながら、
それでいて迷いのない足取りでステップを踏む。
「まさか、こんなパーティーに呼ばれるとはね」
珍しくスーツ姿に前髪をあげたテオが、肩をすくめて笑った。
赤と黒を基調にしたその装いは、
普段の軽装とは違い、驚くほど大人びて見える。
王国からの労いを込めた式典――
事情を知る身内のみの集まりで
私たちはその招待客だった。
「スーツ、似合ってるよ」
「ほんと? かっこいい?」
「うん。かっこいい」
その言葉に、テオは少し照れたように笑う。
「じゃあさ」
そう言って、彼は一歩前に出た。
「俺と、踊ってくれますか?」
すっと差し出される手。
「……喜んで」
私はその手を取った。
音楽が流れ出し、
自然と足が動く。
――思った以上に、テオは上手だった。
「……上手ね、テオ」
「ありがとう」
少し誇らしげに笑ってから、続ける。
「実は、特訓したんだ」
「特訓?」
「うん。オリバー団長と、エリック副団長が教えてくれてさ」
意外な人たちの名前に
思わず目を丸くする。
「それはすごいね」
「だろ?
意外と嫌な人たちじゃなかった」
「そっか」
彼が少しずつ、世界を広げていることが嬉しかった。
テオは私を気遣うように歩幅を合わせながら、
それでいて迷いのない足取りでステップを踏む。