第3部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない
ルイが出て行ったあとハニーレモンソーダを、
少しずつ飲んでいると――
控えめなノックの音がした。
「……どうぞ」
扉が、ゆっくりと開く。
「失礼します」
そこに立っていたのは、
セナだった。
「セナ……?」
「……お加減、いかがですか」
声が、少しだけ硬い。
「だいぶ、よくなったよ」
そう答えると、
セナは小さく息を吐いた。
「……よかった」
それだけ言って、
一歩、部屋に入る。
でも、
それ以上は近づかない。
「来ようか、
迷ったんです」
視線を伏せたまま、
正直にそう言う。
「療養中だと聞いて……
邪魔になるかもしれないと」
「でも」
拳を、
ぎゅっと握りしめる。
「……どうしても、
顔を見ておきたくて」
その言葉に、
胸がきゅっとする。
「心配かけて、ごめんね」
そう言うと、
セナは首を振った。
「謝られるようなことじゃありません」
「俺は、
騎士ですから」
「……湖でのことききました。
また無理をしたんですね、
聞いたのか…
怒られるかな
「少しね」
笑って答える。
「……セナ、来て」
「何でしょう」
ゆっくりと
近づいてきた彼の手を、
そっと引く。
「え……?」
一瞬、驚いた顔。
そのまま、
彼の手を両手で包む。
「やっぱり……」
親指で、
固くなった部分をなぞる。
「豆、つぶれてる」
セナは、
少し気まずそうに視線を逸らした。
少しずつ飲んでいると――
控えめなノックの音がした。
「……どうぞ」
扉が、ゆっくりと開く。
「失礼します」
そこに立っていたのは、
セナだった。
「セナ……?」
「……お加減、いかがですか」
声が、少しだけ硬い。
「だいぶ、よくなったよ」
そう答えると、
セナは小さく息を吐いた。
「……よかった」
それだけ言って、
一歩、部屋に入る。
でも、
それ以上は近づかない。
「来ようか、
迷ったんです」
視線を伏せたまま、
正直にそう言う。
「療養中だと聞いて……
邪魔になるかもしれないと」
「でも」
拳を、
ぎゅっと握りしめる。
「……どうしても、
顔を見ておきたくて」
その言葉に、
胸がきゅっとする。
「心配かけて、ごめんね」
そう言うと、
セナは首を振った。
「謝られるようなことじゃありません」
「俺は、
騎士ですから」
「……湖でのことききました。
また無理をしたんですね、
聞いたのか…
怒られるかな
「少しね」
笑って答える。
「……セナ、来て」
「何でしょう」
ゆっくりと
近づいてきた彼の手を、
そっと引く。
「え……?」
一瞬、驚いた顔。
そのまま、
彼の手を両手で包む。
「やっぱり……」
親指で、
固くなった部分をなぞる。
「豆、つぶれてる」
セナは、
少し気まずそうに視線を逸らした。