【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
(リカルド様は、優しい人だから、きっと心配してくれているかな……)
なんたって彼は、檻の中で辛い境遇にあった自分を少し慰めてくれたからと言って、恩返しに家族扱いをしてくれるような優しい人だ。
(だから、好きになったんだもんね……)
そう思ってから、スイレンは首を振った。
(いけない。何を考えていたんだろう。リカルド様は、美しい婚約者と結婚して英雄と呼ばれる竜騎士としての人生を、何の汚点もなく歩んでいくのよ。そして、彼の人生の中には、私は必要ない)
ぼんやりとリカルドの事を思いながら持って来た身の回りの物を整理していたら、そろそろ日が暮れる時間になってきたようだった。
窓から入る日光が減り、部屋の中が薄暗い。
そろそろ食料の買い出しにも行かなきゃと気がついて、スイレンは慌てて財布とジョルジオに渡されたばかりの鍵を持って、扉の外へと飛び出した。
市場に程近いため、買い物にも便利なその家から白い石畳の坂を駆け上がると、時計台のある広場に出る。
夕焼けの薄紅色の光が、白い街に溶け込んで美しかった。
なんたって彼は、檻の中で辛い境遇にあった自分を少し慰めてくれたからと言って、恩返しに家族扱いをしてくれるような優しい人だ。
(だから、好きになったんだもんね……)
そう思ってから、スイレンは首を振った。
(いけない。何を考えていたんだろう。リカルド様は、美しい婚約者と結婚して英雄と呼ばれる竜騎士としての人生を、何の汚点もなく歩んでいくのよ。そして、彼の人生の中には、私は必要ない)
ぼんやりとリカルドの事を思いながら持って来た身の回りの物を整理していたら、そろそろ日が暮れる時間になってきたようだった。
窓から入る日光が減り、部屋の中が薄暗い。
そろそろ食料の買い出しにも行かなきゃと気がついて、スイレンは慌てて財布とジョルジオに渡されたばかりの鍵を持って、扉の外へと飛び出した。
市場に程近いため、買い物にも便利なその家から白い石畳の坂を駆け上がると、時計台のある広場に出る。
夕焼けの薄紅色の光が、白い街に溶け込んで美しかった。