【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 まじまじと間近でこうして見てみると、リカルドの睫毛はとても長い。目線を下げれば、高い鼻筋が通って形の良い唇へと繋がる。彼のことを諦めなくて良いと知った今では規則正しい小さな寝息ですらも、何もかもが愛しく感じてしまう。

 思わず笑顔になってしまったスイレンは、そっと眠っている彼の頬へキスをした。心の中に愛しい感情が溢れて、どうしても止めることが出来なかった。

 ただただ、愛しくて。目の前にこの人が存在していることが、本当に信じられなくて。

(夢なのかも……)

「キャっ……」

 じっと彼の寝顔に見入っていたスイレンは完全に寝ていると思っていたリカルドに、急にがばっと抱きしめられて驚いた。

「おはよう。スイレン。やっぱり、起きた時に可愛い君が居るなんて最高だ。職場にも、出来たら連れて行きたい」

 起きて早々甘い言葉を吐き出したリカルドに、真っ赤になってしまったスイレンは何とか彼の腕から逃れようともがいた。

 だが、竜騎士になれる程の鍛錬を、潜り抜けてきた強靭な身体は簡単には逃してくれない。

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