【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
そして、無情にも告げられた場所は、同じ王都にあるとは言え、この家からは反対側に位置している。
その店から徒歩で来ることを考えるのなら、行儀見習いになるスイレンが人がいない早朝にリカルドに会うことは、もう出来まい。
マーサに明日出立の時に着る服を乱暴に渡されて、それを手に小屋に戻ったスイレンは静かに泣いた。
もう、あの強い瞳を持つ竜騎士には会うことは出来ない。
リカルドとは思いが通じ合った恋人でも、なんでもない。けれど、会える事が生活の中になくてはならない程に、彼をすっかり好きになっていてしまっている自分に気がついた。
檻の中のあの人に攫って欲しいなんて、大それた願いだけが心の中に浮かんできて、必死で儚い希望を打ち消しながらも、眠れない夜を過ごした。
◇◆◇
檻の中のリカルドはもう目覚めていて、いつも通り強い光を秘めた目でスイレンを見つめた。
彼の綺麗な茶色の目に自分が映るのはもうこれで最後だと、そう思った。
昨夜流し過ぎて枯れてしまったと思っていた涙が、また目の端から思わず流れ出しそうになって、必死に堪えた。
その店から徒歩で来ることを考えるのなら、行儀見習いになるスイレンが人がいない早朝にリカルドに会うことは、もう出来まい。
マーサに明日出立の時に着る服を乱暴に渡されて、それを手に小屋に戻ったスイレンは静かに泣いた。
もう、あの強い瞳を持つ竜騎士には会うことは出来ない。
リカルドとは思いが通じ合った恋人でも、なんでもない。けれど、会える事が生活の中になくてはならない程に、彼をすっかり好きになっていてしまっている自分に気がついた。
檻の中のあの人に攫って欲しいなんて、大それた願いだけが心の中に浮かんできて、必死で儚い希望を打ち消しながらも、眠れない夜を過ごした。
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檻の中のリカルドはもう目覚めていて、いつも通り強い光を秘めた目でスイレンを見つめた。
彼の綺麗な茶色の目に自分が映るのはもうこれで最後だと、そう思った。
昨夜流し過ぎて枯れてしまったと思っていた涙が、また目の端から思わず流れ出しそうになって、必死に堪えた。