【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「スイレン。君も今は疲れているだろうが、ジャック・ロイドが機密情報を漏らしていた取り調べのために、城で調書を作る必要がある。担当の文官が被害者である俺と君にも話を聞きたいと言っていたから。後で俺と城へと向かおう」

「ええ。もちろんです……あの、彼はどうなるんでしょうか?」

 お腹を空かせたと訴えるワーウィックのために、彼のお皿に魔法の花を出しながら言ったスイレンに、リカルドは困ったように笑った。

「情報漏洩は重罪だからな……ただ、罪を犯した彼にも。彼なりの言い分はあるだろう。それを加味して、きちんとこの国の法に裁かれるように祈るよ」



◇◆◇


 自分も一緒に行くと言って聞かないワーウィックを、官吏からの真面目な聴取だからと説き伏せて家に置いてくることに成功した。

 馬車へと乗り込み城へ辿り着いたリカルドとスイレンの二人は、広い廊下で金髪の美女のイジェマとすれ違った。

「……イジェマ。お前も来ていたのか」

 彼女の姿を確認し躊躇いがちに話しかけたリカルドに、イジェマは微笑んで首を傾げた。

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