【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「ええ。元恋人であるジャックとのことを、洗いざらい話して来たわ。貴方憎さそれだけのために、国家に背くなんてね。考えられないけれど、実際に起きた事なんだから仕方ないわ」

「……聞いたのか」

 あのロイドがイジェマに近づいたのは、リカルドのことがあったからだと暗に伝えたのだが、それを聞いてイジェマはあっけらかんとして笑って頷いた。

「ええ。ジャック・ロイドが、私に近づいた理由も分かったわ……それに、あの時にいきなり捨てられた理由も。そんな顔をしないでよ。あの人と付き合うのを決めたのは、私なんだから。それをリカルドのせいにするつもりなんて、思ってないわ。今はいきなり別れを告げられた理由がわかって、とってもスッキリしているんだから。それより、私。これから大陸へと旅に出ることにしたの。お父様も、承知しているわ。私くらいの美貌を持つなら引く手数多で縁談があるはず。誰かに振られたからって、リカルドみたいな泥臭い竜騎士と結婚するなんてまっぴらよ」

 イジェマはそう言うといかにも清々したという様子で、リカルドの後ろで大人しく控えていたるスイレンの顔を覗き込みながら美しい顔で笑った。

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