【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 リカルドの属するヴェリエフェンディとしては、ふっかけられた喧嘩を買っただけの戦争ではあった。だが、ところが変われば見方も違う。こちらの国にも、何か言い分があるだろう。

 これまでの数多くの戦闘の中で、多くの命を奪った自覚のあるリカルドは、それなりには覚悟はあった。

 戦闘職である竜騎士になった時から、戦いの下。いつ自分の命の灯が消えても仕方ないと、そう考えていたのだ。

 まさか敵国に囚われ、こういった最期を迎えることになるとは思いも寄らなかった。予想もつかない未来、それも運命なのだろう。

「先の大戦での戦犯だ! 竜騎士リカルド・デュマースを捕らえた! 能力封じの腕輪をつけているため、この男は何も出来ぬ。ここに集まる多くの民衆達よ。その怒りを、この男に存分にぶつけるが良い」

 拡声の魔法でも使っているのか、間近で鼓膜に響く大きな声にリカルドは眉を寄せた。

 相棒のワーウィックが傷を負って地に落ちて、命乞いをして捕えられた時、何かすぐに腕に嵌められたと思ってはいた。

(……そういうことだったか)

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