【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 まさか、あのエグゼナガルの元に単身向かい、リカルドとワーウィックを助けるための交渉をするなんて夢にも思っていなかった。あの儚げな容姿に、スイレンは強い意志を秘めている。

 それに、いつもリカルドは驚かされるのだ。

 王都へと急ぎ帰り、自分の背中の怪我には王家専用であるはずの治療の魔法の使い手が癒してくれた。

 ついでに殴られた顔も治療してくれたが、驚くほどの速さだった。

 治療の魔法は適性がないと使えないそうだが、こんなに優秀だと引く手数多だろうなと思う。

 出来れば傷の絶えない戦闘にも付いてきて欲しいとは思うが、それをしないということは何か事情があるのだろうか。

「……スイレン? スイレン」

 家に帰り部屋に入ったままの彼女を心配したリカルドは、そっと扉を開いた。

 栗色の髪を広げて、ベッドの上に横たわっている。どうやら、着替えだけを終わらせて、あまりの疲労にそのまま寝てしまったらしい。

 寝息を立てている可愛らしいその寝顔は、リカルドが世界で一番守りたいと思えるものだ。

 横になりその体を起こさないようにして、そっと慎重に抱きしめる。

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