【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「はい……竜騎士さま」

「リカルドで良い。これからは、スイレンは俺と家族同然になるんだ。また、機会を見て妹にも紹介をしよう」

 家族同然。スイレンはその言葉を聞いて、まるで心臓が切りつけられたように胸が痛んだ。家族同然でも、この先きっと家族にはなれない。彼には、美しい婚約者が既にもう居るのだから。

「リカルド様。その、私は使用人部屋でも大丈夫です。前にお話ししたように、私は狭い小屋に住んでいました。こんな立派なお屋敷に住まわせていただけるだけで、とても有り難いんです」

「駄目だ」

 リカルドは、スイレンの言葉に対してはっきりと言った。

 強い光を放つ茶色い目は、何故だかやけに嬉しそうに輝いている。

(何か。そんなに、嬉しいことがあったのかしら……あ。敵国から救出されて、こうして無事に自分の家に居るのだもの。嬉しくないはずが、ないよね)

 自分は何を考えているのだろうと、スイレンは心の中で自嘲した。

「スイレンは、俺の大事な客人なんだ。これからはもう寒さに凍えることも、食べ物に飢えることも決してさせないと誓う。だから、俺の言うことを聞いて欲しい……良いね?」

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