【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
(顔が近い……どうしたら、失礼のないように顔を離すことが出来るのかしら)

「ブレンダン! やめろ。スイレン、どうした」

 近くに居たブレンダンの肩をぐいっと引いて、割り込んだリカルドの顔が今度は近い。

 何故だか彼は大きく驚いた顔をして、背後に居るブレンダンの目から廊下に居るスイレンを隠すように身を乗り出した。

 リカルドは案内してくれてから、自室でくつろいでいたのか。着ていたシャツの釦を三つ程外していた。

 そこから彼の逞しい筋肉質な胸が垣間見れて、思わず目を逸らしながらスイレンは慌てて言った。

「あ、あの。おやすみの挨拶をしようと、そう思っただけなんです。お仕事中に、ごめんなさい」

「……ああ。そうか。ごめん。驚かせて。これは、仕事というか……明日ある、良くわからない凱旋式とかいう面倒な行事の打ち合わせだ」

 いかにも、その式典について自分はうんざりしているといった風情でリカルドは言った。

「凱旋というか……救出されただけだけどね。リカルドは、結局何もしてないし。あ。スイレンちゃんを、国に連れて帰って来たくらい?」

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