【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
 待っている間に自身も黒い竜騎士服に着替えていたブレンダンは、彼が選んだドレスに着替えたスイレンを見て満足そうにして頷いた。

 伸ばしっぱなしだった栗色の髪は、店で雇われている髪結師に切られ梳かれて流行の形という髪型に結われている。そして、スイレンにとっては生まれて初めての化粧も施されている。

 そして、ブレンダンの選んだ白いレースの縁取りが意匠された紫色の小花柄のドレスは、スイレンにとても良く似合っていた。

 ブレンダンは店の使用人に料金はいつも通りにとだけ言い残すと、慣れない高い踵の靴にスイレンを馬車へとエスコートした。

「お金のことは、別に気にしなくても良いよ。竜騎士の俸給って命を掛けている分、それなりに高い。自慢する訳でもないけど、僕の実家も見ての通り大金持ちだから」

 飄々とそう言ってのけるブレンダンに、今までこんな格好をしたことのないスイレンは俯いた。

 後で返せと言われてしまっても、そのお金がスイレンにはない。最悪の場合は、保護してくれているリカルドに借りることになるだろう。

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