【書籍3巻発売中】ひとりぼっちの花娘は檻の中の竜騎士に恋願う【コミック3巻発売中】
「ああ……そろそろ、城だ。ガヴェアの王都も美しくて有名だが、ヴェリエフェンディ自慢の城も美しいよ。よく見て」

 ブレンダンに誘われるままに、スイレンは窓から白亜の美しい城を見た。

 御伽噺の舞台になりそうな、優美で女性的な城だ。美しい絵画がそのままこうして風景になったような、不思議な気分になった。

 そして、そこで今まさにリカルドが主役となる凱旋式が、行われている。

 スイレンが美しい城にじっと見入っていた間に、あっという間に城の馬車止めに到着した。

 もう着いていたと慌てて降りようとするスイレンに手を差し出しながら、ブレンダンは言った。

「さ。急ごう。そろそろ、あいつが城のバルコニーに出て挨拶をする頃だ」

 竜騎士である証の黒い騎士服を着ているブレンダンには城を守る衛兵達も、丁重に頭を下げて敬礼をする。

 城中央にある広場には、ざわざわとした人だかりが見えて、国民の誇りである英雄の凱旋を国民達が待っている。

 やがて、王族達が挨拶をする時に使用する大きなバルコニーに、見覚えのあるリカルドが現れた。

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