婚約者の愛が重すぎるのでわからせようと思います!
決意表明
ゆっくりと意識が覚醒する。
ふわふわの心地の良い布団に包まれて、今日も優しい眠りから目覚める。
いつもと同じ朝。
けれど、鼻をかすめる微かな甘い匂いはいつもはないものだった。
ーーーこの匂いを私は知っている。
「…」
まぶたを開け、体を起こす。
ぼんやりとした頭で辺りを見渡せば、そこら中に昨日の夜にはなかった薄い桃色の花が飾られていた。
『ルーチェの花をね、この間花屋で一輪だけ見たの。珍しいわよね、この時期に。すごく綺麗だったわ』
そう昨日の夜に、私は確かにルーカスに言った。
そして今この部屋中に溢れている花こそが、あの季節外れの花、ルーチェの花なのだ。
きっと私の話を聞き、昨晩のうちに手配し、ルーカスが飾ったのだろう。…朝が早いというのに。
ルーカスの愛に、思わず苦笑いを浮かべてしまう。
だが、同時に愛おしさを感じていることも事実だった。
「え…!えぇ!?」
なんとなくベッドの上でルーチェの花を眺めていると、部屋に現れたメイドが大きな声を上げた。
変わり果てた私の部屋にかなり驚いているようだ。
何度もまばたきをし、辺りをきょろきょろと見回すと、わなわなと震えながら彼女は言った。