婚約者の愛が重すぎるのでわからせようと思います!
わからせよう!
ルーカスに重たい愛をわからせる。
そうと決まれば、早速行動開始だ。
アリアとたっぷりショッピングを楽しんだ後、私は屋敷の自室でまずは腕輪の機能を使うことにした。
わからせるためには、同じことをすればいい。
つまり私もルーカスを四六時中腕輪で見て、ルーカスが「会いたい」と漏らそうものなら飛んで会いに行けばいいのだ。
ルーカスの都合など関係なく、突撃してやる。
そうすればさすがのルーカスも嬉しいと思う反面、困惑してしまうだろう。
そして私のように息の詰まる思いもするはずだ。
なかなかにいい作戦だ。
思いついた案に、口元を緩めながらも、腕輪から映し出されている映像を確認する。
すると映像には、いいところの商人のような男が青白い顔でソファに腰掛けていた。
部屋の雰囲気的におそらくあそこはヴァレンタイン公爵家の応接室で、ルーカスは仕事関係の話をあの商人としているのだろう。
『全く…。これではこちらの要求が全て反映されていないではないか。こんなもの、許すとでも?』
氷のように冷たいルーカスの声と共に、目の前の机にバサっと資料のようなものが数枚投げられる。
それを見た商人は額に汗を浮かべながらも、懸命に話し始めた。
『こ、これが、うちの限界でございます。これ以上はとても…』
『限界?笑わせる。まだ余力はあるだろう?俺がそこを見誤るとでも?』
『…っ』
ルーカスの声と、商人の表情。
腕輪からの情報だけでも、あの場がいかに重苦しい空気なのかわかる。