婚約者の愛が重すぎるのでわからせようと思います!
「…!」
ええい!ひよってる場合ではないわ!
私は気合を入れるために、パァンっと自身の左頬を叩く。
それからその辺にいたメイドにこう言った。
「今すぐ転移魔法の用意を!ルーカスに会いに行くわ!今すぐにね!」
「えぇ!?お、お嬢様!?あれは膨大なお金も技術も必要なもので、緊急時にしか使えない代物でございますよ!?ルーカス様に何かあったのですか!?」
「ええ!私に会いたいと言ったわ!」
「そ、それだけ!?それだけですか!?お嬢様!さすがにそれだけでは、いくらお嬢様のご命令でしても、そうやすやすとは…!」
私の要求に当然だが、メイドはたじたじだ。
それだけ私が無茶を言っていることは百も承知。
けれど、ここでこのルーカスよりも重い愛を実行しなければいつやるというのだ。
「緊急事態よ!」
「で、ですが!」
それでも私の権限ではやはり、転移魔法は簡単には使えないらしい。
「くっ。でも、私は諦めないわ!お父様!お父様ー!」
私は乱暴に自室の扉を開けると、そう叫びながらお父様の執務室へと向かった。
転移魔法を使う許可を得る為に。