婚約者の愛が重すぎるのでわからせようと思います!
私が訪れるとすぐにやめていた仕事も、私を膝に乗せたまま、続けるようになった。
視察も会談もやめなくなった。
全て私を同行させ、きちんとするようになった。
ルーカスはどうやらいつまでも続く私の重たい愛に、ついにわからされたのだ。
一時は諦めかけたこの作戦。
だが、2ヶ月の努力が花開き、ルーカスもやっと重たい愛を自粛してくれるようになった。
ほんの少しの変化だったが、私は歓喜した。
そして喜びそのままに親友であるアリアに作戦成功の旨を伝えた。
しかしアリアは微妙な顔をし、
「いや、あまり変わってないわよね?仕事をやめないだけで、結局ゾーイを仕事に連れて行って、片時も離さないのは重たいでしょう?」
と、言ってきた。
アリアは何もわかっていない。
以前まではその仕事さえもしていなかったのだ。
それが今では、きちん仕事をしている。
これはかなり大きな一歩である。
アリアにそう胸を張った時、ほんの少しだけ胸の奥がチクリと痛んだ気がした。
*****
胸の痛みの正体、ほんの少しの寂しさを感じながらも、それでも正常な関係を築き始められたことに安堵を抱いていた。
ーーーそう、少なくとも数日前までは。
静かに海へと沈んでいく夕日に、今までの努力に思いを馳せる。
ここはヴァレンタイン公爵家のとある別荘の海辺。
私たちが住む街とは違い、潮の匂いがする、賑やかで素敵なところだ。
何故、私が今、ヴァレンタイン公爵家の別荘にいるのか。
その理由は数日前に遡る。